九月の命の言葉

「一燈を提げて暗夜を行く 暗夜を憂ふるなかれ 只一燈を頼め」佐藤一斎
 一条の光さえ見えてこない真っ暗闇のなかにあっては、ただただ己の持つ燈だけが頼りだ。たとえ先が見えてこなくとも、いたずらに憂うことなく自らを信じて進むべきである。

佐藤一斎(さとういっさい)
 一七七二〜一八五九(安永元年〜安政六年)江戸時代後期の儒学者。美濃岩村藩の家老佐藤信由の次男として、江戸浜町の下屋敷で生まれる。三十四歳で朱子学の宗家林家の塾長となり、大学頭の林述斎とともに多くの門下生の指導に当たった。一八四一年(天保十二年)述斎が没したため幕府の学問所昌平黌の儒官(総長)となる。