三月の生命の言葉

「うそ云ふな ものほしがるな からだだわるな」橘 曙観
橘曙観が伊勢神宮に詣でた折、五十鈴川の水を汲み帰り、これを墨にすって書き残したという「家訓」の一節。
嘘を言ふな、物を欲しがるな、身体を怠けさせるな。

橘 曙観(たちばな あけみ)
文化九年(一八一二)〜慶応四年(一八六八)。越前国の商家の長男として生まれる。本居宣長の門人・田中大秀に入門し神道・国学を学び歌を詩作した。後に正岡子規は、源実朝以後、歌人の名に値するものは橘曙観ただ一人と絶賛した。