十月の生命の言葉

世中に 人をそねむは 目に見えぬ 鬼よりもたゞ おそろしきかな 『荒木田 守武』


世の中で人を妬む心は

目に見えない鬼よりも

恐ろしいことである

『世中百首』


荒木田 守武

室町末期の伊勢皇大神宮の禰宜。神職の傍ら俳諧師、連歌師としても知られる。宗祇、宗長らに連歌を学び、『新撰菟玖波集』に入集。山崎宗鑑と共に連歌から俳諧が独立する基礎を築いた。『世中百首』は平易な教訓和歌集で伊勢論語と称えられた。