十月の生命の言葉

山々の 露あつまりし 谷川の ながれ尽きせぬ おとぞ楽しき

二宮 尊徳


常陸国青木村に出張のころ、筑波山を読んだ歌。筑波山は大鳥居の額に「天地開闢筑波神社」とあり山上に二嶺あり、伊邪那岐命鎮座の方を男体山といい、伊邪那美命を祀れる女体山という。この二嶺の間より流れ落ちるのを美那の川といい、この二嶺を山々と読んだ。
人の道は伊邪那岐伊邪那美の二神より始まって今日の我々まで絶えることなく続き、皆その末であればそれを谷川にたとえ、その流れが尽きることなく繁栄していくことは、この上なく楽しく嬉しいものである。そうであれば、皇祖天神は我々の大祖神であられるから仰ぎ尊ばないではいられない。


二宮 尊徳 

幕末の農政家・思想家。天明七年七月、相模国足柄上郡栢山村(現、小田原市)