六月の生命の言葉及び、井草民俗資料館公開について

「ゆく河の流れは絶えずして しかも もとの水にあらず」鴨長明
流れていく川の水の流れは止まることなく、しかも、そこにある水は決して元あった水ではなく次々と新しくなっていく。『方丈記』

鴨長明(かものちょうめい)
一一五三〜一二一六年。鎌倉時代の歌人。下鴨神社の神職の家に生まれ、本人も神職の道を望んだが果たされず、出家して大原山にこもった。その後、歌人として鎌倉に下ったが、激しい変革期に天変地異と貴族社会の没落を体験し『方丈記』を著した。人の世が移り変わるものであることは昔も今も変わりがない。しかも、流れの速度は昔と比べようもない速さである。つまらないことで悩んだり、怒ったりして時間を無駄に費やす暇はないのである。
                          東京都神社庁「生命の言葉」より

井草民俗資料館公開について
豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は、平成23年11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
なお、工事が早く終了した場合には、平成23年9月4日に公開いたします。

五月の生命の言葉及び、井草民俗資料館公開について

あさみどり すみわたりたる 大空の 広きをおのが 心ともがな 明治天皇
浅緑に澄みわたりたる境地は、その清浄、正直の心を表し、大空の広さは度量の大きさ、睦び和む精神に当たる。『明治天皇御集』

明治天皇(めいじてんのう)
一八五二〜一九一二年。神道の教えは「清く、正しく、睦まじく」生きるためにある。人は独りで清く生きていくだけでは十分ではない。多くの人との共同生活をするうえで、助け合い、伸ばしあい、許しあう和合の道が必要である。この清浄、正直、睦和の三つの徳目をさわやかな空に託して歌い上げたもので、私たちの心にすがすがしく響いてくる。
                東京都神社庁「生命」の言葉より

井草民俗資料館公開日について
豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は平成23年11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。なお、工事が早く終了した場合には、平成23年9月4日に公開いたします。

四月の生命の言葉及び、井草民俗資料館公開について

「いにしへの道を聞きても唱えてもわが行いにせずばかひなし」島津忠良
昔の貴重な道について聞き、それを口に出して唱えることができても、それを自分自身の行動にすることができなければ、何の甲斐もないことである。『島津日新公いろは歌』

島津忠良(しまずただよし)
一四九三〜一五六八年。薩摩の戦国大名。忠良は、琉球を通じて対明貿易や城下町の整備、養蚕産業の振興、家臣団の育成に励み、後に島津家「中興の祖」と仰がれた。忠良の教育論は島津家に代々受け継がれることになり、その後の薩摩独特の士風と文化の基盤を築いた。明治六年(一八七三)に竹田神社に祭神として祀られた。

井草民俗資料館公開について
豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は、平成23年11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。なお、工事が早く終了した場合には、平成23年9月4日に公開いたします。

三月の生命の言葉及び、井草民俗資料館公開について

「己の立てるところを深く掘れ そこには必ず泉あらむ」高山樗牛
自分自身が立っている場所を深く掘れ。そこには必ず泉がある。『高山樗牛全集第四巻』

高山樗牛(たかやまちょぎゅう)
一八七一〜一九〇二年。明治の文芸評論家、思想家。東京大学講師。文学博士。明治三十年代の言論を先導した。本名・林次郎。人は立つ場所や位置によって、それぞれ水脈への距離も、地盤も違う。当然、容易に泉を掘り当てられる人もいれば、困難な人もいるだろう。しかし、掘ることをあきらめなければ、きっと自分(だけ)の泉を見つけることができるはずである。                     東京都神社庁「生命」の言葉より

井草民俗資料館公開について
豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は、平成23年11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。なお、工事が早く終了した場合には、平成23年9月4日に公開いたします。

二月の生命の言葉及び、井草民俗資料館公開について

「ふりつもる み雪にたへて 色かへぬ 松ぞをヽしき 人もかくあれ」昭和天皇
ふりつもる雪にも耐えて色を変えない松のなんと雄々しいことか。人もこのようにありたいものだ。『昭和天皇御製集』

昭和天皇(しょうわてんのう)
一九〇一〜一九八九年。終戦の翌年、「松上雪」と題して詠まれた。戦時中の苦労が雪のように降り積もり、そして、敗戦の非痛にも耐え、国土を復興させようと立ち向かう人々の姿を、緑豊かな力強くたくましい松にたとえて、国民を励まされようとされた御歌。今の私たちに対しても、厳しい時代にあっても心は決して枯れてはならないことを思い起こさせてくれる。                     東京都神社庁「生命の言葉」より

井草民俗資料館公開について
 豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は、11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。なお、工事が早く終了した場合には、9月4日に公開いたします。

平成二十三年 一月の生命の言葉及び、井草民俗資料館の公開日について

「新しき 年の始の 初春の 今日降る雪の いや重け吉事」大伴家持
新しい年の始めの初春の今日、雪が降っている。この降り積もる雪のように、どうか良いことが重なっておくれ。

大伴家持(おおとものやかもち)
七一八〜七八五年。奈良時代の官吏、歌人。『万葉集』の編纂者といわれる。この歌は天平宝字三年(七五九)の元旦に歌ったもの。この前に、家持は左遷され因幡の国守に赴任する。しかし、身の不遇を嘆くのではなく、新年にあたり堂々と力強い希望を込めた歌を詠んだ。どんなときも新年には心新たに一年の幸せを祈りたいものである。
                        東京都神社庁「生命の言葉」より

井草民俗資料館の公開日について
 豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は、平成23年11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。なお、工事が早く終了した場合には、平成23年9月4日に公開いたします。

新年の開門閉門時間のお知らせ

新年3が日の開門閉門時間が多少変更になります。
1月1日   大晦日より開門    19時 閉門
1月2日   6時15分 開門    18時 閉門
1月3日   6時15分 開門    18時 閉門
1月4日以降 6時15分 開門    17時 閉門

十二月の生命の言葉

「全徳の人は得難く一失あれば一得あり」徳川吉宗
全く申し分のない人というのはいるものではなく、誰でも短所があれば長所もある。相手に何か不足を感じることがあっても、どこかに取り柄があるのであるから、多少の過ちは許してやらなければならない。

徳川吉宗(とくがわよしむね)
貞享元年(一六八四)〜宝暦元年(一七五一)江戸幕府八代将軍。紀州藩主光貞の子。享保の改革と呼ばれる司法体制の改善、財政再建、人材の登用、防火制度の創設などの政策を実施し、幕府の中興の祖とされる。
                         東京都神社庁「生命の言葉」より

十一月の生命の言葉

「義を見てせざるは勇なきなり」孔子
正義のことと知りながら実行しないのは、その人に勇気がなく臆病だということ。ときに人間は正しいことのために勇気を奮いたたせて行動しなければならない。出典『論語』

孔子(こうし)
紀元前五五一年〜四七九年。中国春秋時代の魯の思想家。儒教の祖。魯に仕えたが受け入れられず、諸国を遊説したのち門人の教育に専念、『書経』『詩経』『春秋』などを整理・編纂したといわれる。
                        東京都神社庁「生命の言葉」より

十月の生命の言葉

「九分は足らず十分はこぼると知るべし」徳川光圀
九分目では足りないと思い、十分目まで求めようとすれば、(水は)こぼれてしまうということ。人に欲があるのは仕方がないが、際限なく求めることは危険である。出典『遺訓』

徳川光圀(とくがわみつくに)
寛永五年(一六二八)〜元禄十三年(一七〇〇)江戸前期の大名。徳川頼房の三男。号は常山・梅里。俗に黄門さまとして親しまれた。隠居後は西山隠居とも称す。明暦三年(一六五七)大日本史の編纂に着手、水戸学の起源とされる。編著者は『常山文集』『常山詠草』『西山随筆』など多数。
                          東京都神社庁「生命の言葉」より