平成二十三年 一月の生命の言葉及び、井草民俗資料館の公開日について

「新しき 年の始の 初春の 今日降る雪の いや重け吉事」大伴家持
新しい年の始めの初春の今日、雪が降っている。この降り積もる雪のように、どうか良いことが重なっておくれ。

大伴家持(おおとものやかもち)
七一八〜七八五年。奈良時代の官吏、歌人。『万葉集』の編纂者といわれる。この歌は天平宝字三年(七五九)の元旦に歌ったもの。この前に、家持は左遷され因幡の国守に赴任する。しかし、身の不遇を嘆くのではなく、新年にあたり堂々と力強い希望を込めた歌を詠んだ。どんなときも新年には心新たに一年の幸せを祈りたいものである。
                        東京都神社庁「生命の言葉」より

井草民俗資料館の公開日について
 豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は、平成23年11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。なお、工事が早く終了した場合には、平成23年9月4日に公開いたします。

新年の開門閉門時間のお知らせ

新年3が日の開門閉門時間が多少変更になります。
1月1日   大晦日より開門    19時 閉門
1月2日   6時15分 開門    18時 閉門
1月3日   6時15分 開門    18時 閉門
1月4日以降 6時15分 開門    17時 閉門

十二月の生命の言葉

「全徳の人は得難く一失あれば一得あり」徳川吉宗
全く申し分のない人というのはいるものではなく、誰でも短所があれば長所もある。相手に何か不足を感じることがあっても、どこかに取り柄があるのであるから、多少の過ちは許してやらなければならない。

徳川吉宗(とくがわよしむね)
貞享元年(一六八四)〜宝暦元年(一七五一)江戸幕府八代将軍。紀州藩主光貞の子。享保の改革と呼ばれる司法体制の改善、財政再建、人材の登用、防火制度の創設などの政策を実施し、幕府の中興の祖とされる。
                         東京都神社庁「生命の言葉」より

十一月の生命の言葉

「義を見てせざるは勇なきなり」孔子
正義のことと知りながら実行しないのは、その人に勇気がなく臆病だということ。ときに人間は正しいことのために勇気を奮いたたせて行動しなければならない。出典『論語』

孔子(こうし)
紀元前五五一年〜四七九年。中国春秋時代の魯の思想家。儒教の祖。魯に仕えたが受け入れられず、諸国を遊説したのち門人の教育に専念、『書経』『詩経』『春秋』などを整理・編纂したといわれる。
                        東京都神社庁「生命の言葉」より

十月の生命の言葉

「九分は足らず十分はこぼると知るべし」徳川光圀
九分目では足りないと思い、十分目まで求めようとすれば、(水は)こぼれてしまうということ。人に欲があるのは仕方がないが、際限なく求めることは危険である。出典『遺訓』

徳川光圀(とくがわみつくに)
寛永五年(一六二八)〜元禄十三年(一七〇〇)江戸前期の大名。徳川頼房の三男。号は常山・梅里。俗に黄門さまとして親しまれた。隠居後は西山隠居とも称す。明暦三年(一六五七)大日本史の編纂に着手、水戸学の起源とされる。編著者は『常山文集』『常山詠草』『西山随筆』など多数。
                          東京都神社庁「生命の言葉」より

九月の生命の言葉

「多忙とは怠け者の遁辞である」徳富蘇峰
世には「忙しい忙しい」と口癖のように言う人がいるが、それはなまけ者の言いのがれでしかない。計画を立て今日すべきことを一つ一つしていくことが肝心であるということ。

徳富蘇峰(とくとみそほう)
文久三年(一八六三)〜昭和三二年(一九五七)明治〜昭和の評論家。肥後生れ。徳富一敬の子。本名は猪一郎。大正期に入り『近世日本国民史』を書き始め、全百巻の大事業となる。
                   東京都神社庁「生命の言葉」より

八月の生命の言葉

「世々のおやの御かげ忘るな代々のおやは己が氏神己が家の神」本居宣長
玉鉾百首の一首。先祖の恩を忘れてはいけない。ご先祖さまは自分たちの氏神、家の神である。常に先祖を敬い感謝をしてこそご先祖様は守ってくださる。

本居宣長(もとおりのりなが)
享保十五年(一七三〇)〜享和元年(一八〇一)江戸後期の国学者。伊勢松坂の木綿業小津定利の次男。宝暦十三年(一七六三)加茂真淵に入門。さらに上古学に傾注して『古事記伝』を完成。古道論『直毘霊』学問論『初山踏』随筆『玉勝間』などがある。
                   東京都神社庁「生命の言葉」より

七月の生命の言葉

「先祖の魂は子孫に伝わる」林 羅山
先祖の思いは必ず子孫に伝わるということ。私たちも正しい行いを心がけ、次の世代につなげていきたいものである。出典『神道伝授』

林 羅山(はやし らざん)
天正十一年(一五八三)〜明暦三年(一六五七)江戸前期の儒学者。京都四条新町生れ。寛永七年(一六三〇)上野忍岡の賜地に塾舎と文庫を建て、同九年(一六三二)同所に先聖殿を建設。昌平黌の基を開く。『神道伝授』『本朝神社考』『怪談全集』など多数の著書がある。
                           東京都神社庁「生命の言葉」より

六月の生命の言葉

「神は正直を以て先となし正直は清浄を以て本となす」渡会家行
神への心と人の道はまずもって正直であること。その正直は清浄を根本としている。

渡会家行(わたらいいえゆき)
康元元年(一二五六)〜正平一七(一三五一)鎌倉末、南北朝時代の神道家。家名は村松。有行の子。建武三、延元元年(一三三六)内宮禰宜荒木田興時らと共に田丸城にたてこもり、足利尊氏の軍と戦う。そして、家行は正直と清浄を強調し渡会神道を大成し、北畠親房などに影響を与えた。著に『類聚神祇本源』『神道簡要』など。              東京都神社庁「生命の言葉」より

五月の生命の言葉

「人間のやったことは人間がまだやれることの百分の一にすぎない」豊田佐吉
人間はさまざまな事を考え発明し、行動してきているがそれは、まだほんの一部でありまだまだたくさんの可能性が秘められている。

豊田佐吉(とよたさきち)
慶応三年(一八六七)〜昭和五年(一九三〇)明治・大正期の織機発明家。遠江(現在の静岡県)生れ。一日中機織に苦労する母親を楽にしたいと明治二三年(一八九〇)木制人力織機、二七年糸繰機、三十年木制動力織機を発明。大正七年豊田紡績を設立。その後のトヨタグループの礎を築いた。
                          東京都神社庁「生命の言葉」より