十一月の生命の言葉

「わが行く道に茨多し されど生命の道は一つ この外に道なし この道を行く」武者小路実篤
たとえ困難が多くても横道や裏道にそれることなく、自分の選んだ道をただ一筋に貫き進んでいくことこそがすばらしいのである。『人生の言葉』

武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)
一八八五〜一九七六年。小説家。明治四十三年に友人・志賀直哉らと雑誌『白樺』を創刊し、以後六十四年にわたって文学活動を続けた。人間愛を追求し、多くの人生論を著したことでも知られる。
                          東京都神社庁「生命の言葉」より

十月の生命の言葉

「末の世と いつより人の いひ初めて 猶世の末に ならぬなるらむ」大隈言道
人はいつの時代から「世も末だ」と言い始めたのだろうか。随分、昔から言い続けながらも、いまだに世の末にはならないようだ。『草径集』

大隈 言道(おおくま ことみち)
一七九八〜一八六八年。江戸時代後期の歌人。福岡の商家の生まれ。三十九歳で家業を譲り隠棲、実情実景を率直な言葉で詠むことを重んじ独自の歌風を築いた。幕末といういわば日本の世紀末の時代にあって、それに浮き足立つ世相への憤りを歌ったもの。自分の今、生きている時代を自覚し、質朴に懸命に生きることこそが大切だという思いが込められている。
                           東京都神社庁「生命の言葉」より

九月の生命の言葉及び井草民俗資料館公開日について

「未だかつて邪は正に勝たず」菅原道真
邪まなことはどんなことがあっても、結局正義には勝てない。正義の上に道理と勝利のあることを信じて生き抜くべきである。『菅原後草』

菅原道真(すがわらみちざね)
八四五〜九〇三年。平安時代の官吏。詩歌文章に優れ右大臣にまで昇進したが、左大臣・藤原時平のざん言にあって太宰権師に左遷され、延喜三年(九〇三)、太宰府にて甍じた。没後、都ではさまざまな天変地異が起き、これらは道真の崇りと信じられ恐れられた。太宰府天満宮、北野天満宮などに祀られ、現在では学問の神として知られる。                         東京都神社庁「生命の言葉」より

井草民俗資料館公開日について
豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は、平成23年11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします

八月の生命の言葉及び井草民俗資料館公開について

「知って行わざれば 知らずに同じ」貝原益軒
いくら頭で知っていても、実際に行わなければ、知らないことと同じである『慎思録』

貝原益軒(かいばらえきけん)
一六三〇〜一七一四年。江戸前期の儒学者、本草家、教育思想家。「人は生まれて学ばざれば生まれざるに同じ、学んで道を知らざれば学ばざるに同じ」に続く言葉。人は生きていくには勉強しなければならない、そして、正しい道理を知りそれを役立たせなくてはならない、そして、それを実際に行動に移さなければ何の意味もないのである。教育とは何かを説いた言葉でもある。
                        東京都神社庁「生命の言葉」より

井草民族資料館公開日について
豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は、平成23年11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。なお、工事が早く終了した場合には、平成23年9月4日に公開いたします。

七月の生命の言葉及び、井草民俗資料館公開日について

「習ひつつ 見てこそ習へ 習わずに 善悪いうは 愚かなりけれ」千 利休
すべての勉強は人から教えられたことをまず習い、人の振りを見て確かめ、さらに自分でやってみて身につけていく。それを人から教えられることなく善悪を言うのは馬鹿なことだ。

千 利休(せんのりきゅう)
一五二二〜一五九一年。堺の茶人。十七歳で茶道に志し、長じて信長、秀吉と親交したが、最期は秀吉の怒りに触れ切腹を命じられた。この言葉は茶道の精神を説いたものであるが、世の中の全般の道についても同じ道理が含まれている。何も習いもせずに良いやら悪いやら批評をすることは無駄なことでしかない。とやかく口で言うよりも、自らの学習と実践がなにより大切なのである。               東京都神社庁「生命の言葉」より

井草民俗資料館公開について
豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は、平成23年11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。なお、工事が早く終了した場合には、平成23年9月4日に公開いたします。

六月の生命の言葉及び、井草民俗資料館公開について

「ゆく河の流れは絶えずして しかも もとの水にあらず」鴨長明
流れていく川の水の流れは止まることなく、しかも、そこにある水は決して元あった水ではなく次々と新しくなっていく。『方丈記』

鴨長明(かものちょうめい)
一一五三〜一二一六年。鎌倉時代の歌人。下鴨神社の神職の家に生まれ、本人も神職の道を望んだが果たされず、出家して大原山にこもった。その後、歌人として鎌倉に下ったが、激しい変革期に天変地異と貴族社会の没落を体験し『方丈記』を著した。人の世が移り変わるものであることは昔も今も変わりがない。しかも、流れの速度は昔と比べようもない速さである。つまらないことで悩んだり、怒ったりして時間を無駄に費やす暇はないのである。
                          東京都神社庁「生命の言葉」より

井草民俗資料館公開について
豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は、平成23年11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
なお、工事が早く終了した場合には、平成23年9月4日に公開いたします。

五月の生命の言葉及び、井草民俗資料館公開について

あさみどり すみわたりたる 大空の 広きをおのが 心ともがな 明治天皇
浅緑に澄みわたりたる境地は、その清浄、正直の心を表し、大空の広さは度量の大きさ、睦び和む精神に当たる。『明治天皇御集』

明治天皇(めいじてんのう)
一八五二〜一九一二年。神道の教えは「清く、正しく、睦まじく」生きるためにある。人は独りで清く生きていくだけでは十分ではない。多くの人との共同生活をするうえで、助け合い、伸ばしあい、許しあう和合の道が必要である。この清浄、正直、睦和の三つの徳目をさわやかな空に託して歌い上げたもので、私たちの心にすがすがしく響いてくる。
                東京都神社庁「生命」の言葉より

井草民俗資料館公開日について
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四月の生命の言葉及び、井草民俗資料館公開について

「いにしへの道を聞きても唱えてもわが行いにせずばかひなし」島津忠良
昔の貴重な道について聞き、それを口に出して唱えることができても、それを自分自身の行動にすることができなければ、何の甲斐もないことである。『島津日新公いろは歌』

島津忠良(しまずただよし)
一四九三〜一五六八年。薩摩の戦国大名。忠良は、琉球を通じて対明貿易や城下町の整備、養蚕産業の振興、家臣団の育成に励み、後に島津家「中興の祖」と仰がれた。忠良の教育論は島津家に代々受け継がれることになり、その後の薩摩独特の士風と文化の基盤を築いた。明治六年(一八七三)に竹田神社に祭神として祀られた。

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三月の生命の言葉及び、井草民俗資料館公開について

「己の立てるところを深く掘れ そこには必ず泉あらむ」高山樗牛
自分自身が立っている場所を深く掘れ。そこには必ず泉がある。『高山樗牛全集第四巻』

高山樗牛(たかやまちょぎゅう)
一八七一〜一九〇二年。明治の文芸評論家、思想家。東京大学講師。文学博士。明治三十年代の言論を先導した。本名・林次郎。人は立つ場所や位置によって、それぞれ水脈への距離も、地盤も違う。当然、容易に泉を掘り当てられる人もいれば、困難な人もいるだろう。しかし、掘ることをあきらめなければ、きっと自分(だけ)の泉を見つけることができるはずである。                     東京都神社庁「生命」の言葉より

井草民俗資料館公開について
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二月の生命の言葉及び、井草民俗資料館公開について

「ふりつもる み雪にたへて 色かへぬ 松ぞをヽしき 人もかくあれ」昭和天皇
ふりつもる雪にも耐えて色を変えない松のなんと雄々しいことか。人もこのようにありたいものだ。『昭和天皇御製集』

昭和天皇(しょうわてんのう)
一九〇一〜一九八九年。終戦の翌年、「松上雪」と題して詠まれた。戦時中の苦労が雪のように降り積もり、そして、敗戦の非痛にも耐え、国土を復興させようと立ち向かう人々の姿を、緑豊かな力強くたくましい松にたとえて、国民を励まされようとされた御歌。今の私たちに対しても、厳しい時代にあっても心は決して枯れてはならないことを思い起こさせてくれる。                     東京都神社庁「生命の言葉」より

井草民俗資料館公開について
 豊明殿工事の関係で、次回の井草民俗資料館公開日は、11月6日となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。なお、工事が早く終了した場合には、9月4日に公開いたします。